今日は息子の中学校の卒業式でした。
私立の中高一貫校であるため中学の卒業式は、義務教育を終えて高校へ進学するという6年間で見た時には1つの行事にすぎませんが、子供が入学した時にはちょうどコロナで騒ぎ出したころでした。
入学式の前日のお昼になって
「入学式への生徒・保護者の参加は中止。先生だけの入学式実施のビデオ配信とする」
旨の決定がメール配信されたのでした。
なので正式な入学式はできなかった世代で、その後も自宅待機のまま学校へ始めて通ったのが夏服となった6月からでした。
その意味でも、今回の卒業式は3年前にできなかった入学式とのセットのようなものだったのです。
今日は校長先生や、送辞・答辞のあいさつ、先生方のどの話でも入学当初の難しいハンドリングや学校生活のもどかしさのはなしがあり、当時のことを思い出したものです。
4月からは新しいwithコロナの生活が始まります。
今回は、中学受験を終えて入学式を迎えた頃はコロナに関してどんなどんな状況だったかを振り返りつつどんな学校生活を送っていたのかを書いてみます。
そしてこのwithコロナの生活を経て、感じたことをある学校の校長先生のはなしとともに考えてみたいと思います。
withコロナが始まった最初の時期
1.事の発端:2019年12月末~2020年1月
「中国湖北省武漢市での原因不明肺炎の発生」の情報に関しては日本のメディア数社がネットニュース等で取り上げていましたが、世の中は落ち着いて正月を迎えていました。
1月28日。日本では、新型コロナウイルスについて感染症法に基づく「指定感染症」(2類相当)及び検疫法に基づく「検疫感染症」に指定し、1月28日公布,2月1日より実施としました。それに先立って1月30日に日本政府は、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置しました。
まだまだ世の中的にも、私自身もちょうど中学受験の本番を前にして、世の中がそんなことになっているとはつゆ知らずの状態でした。
「受験が終わればゆっくり遊べるし、やりたいことができるのだから、もうすこし頑張ろう!」
と声掛けの毎日でした。
2.国内くすぶり状態から増加への懸念:2020年2月~3月中旬
2月からの日本国内での感染者発生状況は、くすぶり状態から次第に微増傾向となってきました。
日付 | 例 |
2月1日 | 14~15例 |
2月13日 | 国内初の死亡例 |
3月1日 | 約 250 例(死亡 6 例 ) |
3月10日 | 約 500 例(死亡24例) |
香港から日本に向かった大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染者発生が確認され、2月3日に横浜港に停泊して検疫が開始されたのもこの時期です。
私がコロナを意識したのはこのニュースがきっかけでした。(職場にこの「ダイヤモンド・プリンセス」に休暇を取って乗船していた同僚がいたのを知りました。)
無事に入試が終わり、息子は塾で用意されていた中学準備講座で再会できることを楽しみにしていましたが、コロナ報道で延期。3月になって開催はされましたが、塾の卒業式は中止となりました。
2月27日、(当時)安倍首相は全国小中学校の一斉休校の要請を行いました。2月28日、北海道の鈴木知事は「北海道緊急事態宣言」を行い、週末の外出自粛等を要請した時期でした。
3月11日。WHOは,新型コロナウイルス感染症(2 月 11 日にCOVID-19(coronavirus disease2019)と命名。
ウイルスについては,国際ウイルス分類委員会がパンデミック(世界的大流行)とみなした時でした。
3.国内増加,緊急事態宣言から解除まで:2020年3月中旬~5月下旬
関東首都圏・関西での感染者増加傾向から、3月19日、大阪府吉村知事の「週末の大阪神戸往来自粛」。
3月23日、東京都 小池知事による「ロックダウンの可能性」。3月25日,「週末外出自粛」等が行われました。
小学校の卒業式は保護者の出席はなし、校庭で保護者1名のみが写真撮影を許可されたという時でした。
3月20日の連休前には一時的な患者数の低下もみられたが、連休後に再び感染者数は増加傾向に転じたため医療機関の逼迫(医療におけるオーバーシュート)の回避等を目的として4月7日、政府は7都府県を対象に5月6日までの緊急事態宣言を発令しました。そして4月16日には、その対象を全都道府県に拡大した時です。
このため、苦渋の選択だったとは思いますが、入学式の前日のお昼になって
「入学式への生徒・保護者の参加は中止。先生だけの入学式実施のビデオ配信とする」
旨の決定がメール配信されたのでした。
なお、3月29日、タレントの志村けんさんが新型コロナウイルス感染による重篤化から死亡されたことは多くの人々に衝撃を与え本症を身近なものとして捉える人が急増したのもこの時期です。
4.国内小康状態:2020年5月下旬~6月中旬
国内の新規感染者数は全国的に少数で推移したが、アメリカ,ブラジルならびにロシア等の国では感染者数が多くなっていました。
北米や欧州については、4月上旬をピークに緩やかに減少しつつある一方で、ブラジル,チリ,メキシコならびにペルー等の南米諸国、南アジア・中近東、アフリカ等の新興国で感染拡大が続き世界全体としては感染拡大が続いている時でした。
5.国内再拡大から再び減少傾向へ:2020年6月下旬~9月中旬
一旦落ち着いた状況から、7月下旬,東京都新宿区等いわゆる夜の街における接待を伴う飲食店でのクラスター発生が明らかとなり、また恐らくはそこを起点として全国都市圏への拡大傾向が7月から8月にかけて顕著となりました。
7月2日には東京都の小池知事が「感染拡大,要警戒」と説明しています。
7月15日には、東京都は警戒度を最高レベルに引き上げましたが、4~5月のような緊急事態宣言は行わないとされました。
感染の拡大は7月末~8月初頭をピークとして,その後微減から9月中旬以降減少傾向となっていったのです。
3年前の入学式からの学校生活
2020年の年明けから9月までのコロナに関する動きを振り返ってみました。
4月7日の入学式は緊急事態宣言の初日となるため中止。先生のみのビデオ配信対応でした。
翌日からは自宅待機となり、オンライン授業が検討されすぐに実施されました。
誰もが初めてのことであり手探りの中で始まり、この生活は5月末まで続きました。
6月になって衣替えの時期となり、上着に袖を一度も通すことなく半袖での分散登校開始。
画面越しの先生や同級生と実際に会えたのがこの時でしたが、前後左右は誰もいない中での授業が行われました。
1年次に計画されていた運動会や、林間学校などのさまざまな行事は全て中止。
2年次も学校行事に関しては同じような状況で、2年生の秋に特別に企画していただいた日帰り郊外研修が初めての行事でした。
3年生になってやっとさまざまな行事が多少の変更はあっても実施されたそうです。
withコロナを経て思うこと~レジリエンス
皆さんに身につけてほしい資質として「レジリエンス」があります。レジリエンスとは、回復力とか、立ち直る力という意味があります。私は皆さんによく「何かにチャレンジしてほしい」と話をしてきました。それと同時に、失敗から立ち直る力、回復する力つまり「レジリエンス」を身につけてほしいと思います。
そのために心にとめておいてほしいことが4つあります。
1つ目は、成果が表れなかった時、才能がないではなく、少し努力が足りなかったと反省し、再度チャレンジ、粘り強く才能が開花するまで自分の可能性を信じて努力を続けてください。
2つ目は、失敗したことを悩んだり、悔やんだりしても結果は変わりません。次に備え改善策を考え、早く気持ちを切り替えて前に進みましょう。
3つ目は、家や学校で叱られたときには、叱ってくれる人の思いを汲み取ってください。それは叱った人の成長を期待してのことです。
4つ目は、失敗しても、他人のせいにしないでしっかり自分と向き合い考えてください。他人のせいにした瞬間に、自分事ではなくなってしまいます。この世にたった一人の自分を育てる責任者は、自分自身です。自分自身に問掛け、対話して、失敗をしてもそこから学んでいってください。
これからの人生において皆さんは、創造力や判断力を働かせて、双ヶ丘中学校の教育目標でもある「探究心」をもって、自分で考え、自分で行動することができると信じています。どうか、これまでの経験から学んだことを次のエネルギーに変えて、新たなチャレンジを続けてください。
京都市立双ケ丘中学校の校長先生のお話から
ネットでみかけた京都市立双ケ丘中学校の校長先生のお話です。
「レジリエンス」という言葉をご存じですか?
ストレス社会と呼ばれている現代で、多くの人が抱えているストレスやプレッシャーから回復するための力として使われる言葉です。
日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、海外ではすでに企業や学校での教育が進んでおり、日本でも近年注目されつつある能力の1つです。
仕事をするにもプライベートを充実させるにも、どんなことにもストレスはつきものです。そうしたストレスが積み重なっていくと、いつかは心が折れてしまったり、何をするにも気力がなくなってしまいます。
レジリエンスは本来、人間だれしもが持っている能力とされています。つまり、「新しく学ぶ」のでなく、「持っている力を引き出す」ことができるのです。
健全な体は健全な心があってこそのもの。
レジリエンスを知ることによって、ストレスへの耐性やいかなる困難にも柔軟に対応できる心を持つことができます。
参考となる本を紹介します。
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まとめ
息子の学校では1年次から担任団を組んで3年次まで見ていく仕組みです。
卒業式後に、担任団から入学式当時の苦労やもどかしさのお話がありました。
生徒たちのことを、「非常に能力が高い生徒たちばかりで助けられた」と。
中には「能力を温存している子もいますが」と。それってうちのことだな。
今日はこれで義務教育が終わったという節目の日でした。
そのまま高校にもちあがりなので本人はあまりかわりばえしないと言っています。
4月からはwithコロナもあたらしいフェーズに入ります。
高校生活を謳歌してもらいたいものです。
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