私が大学受験をしたのが今から30年前。
私は第2次ベビーブームの最多の時期(205万人)の頃でした。
東進ハイスクールの広告に載っていた「数字で見る大学入試~入試の「今」が見えてくる」を見ると、親の時代の大学入試とは様変わりしています。
この広告をもとに30年前の大学入試と比較してみました。
数字で見る現在の大学入試
難関大とは旧七帝大、東京医科歯科大学、東京工業大、一橋大、東京外国語大、神戸大、早慶、上理明青立法中、関関同立を対象と考えているそうです。
51万人超が2023年の大学入試共通テストの志願者数
2023年の「大学入学共通テスト」の志願者数は512,581人。前年から17,786人減(ー3.4%)となりました。浪人生は6.7%減少しており、現役志向がより強くなっています。共通テスト利用大学は全国の870大学(短大等含む)。国公立大学・私立大どちらを志望する場合も重要な試験です。
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私が大学入試の時の18歳人口は205万人位。戦後ほぼ一貫して増加し続けてきた受験人口は121万5千人でピーク。実質倍率が10~20倍それ以上なんてのが当たり前でした。今の18歳人口は当時の半分ぐらいなのですね。
今は総合型選抜・学校推薦型選抜(AO・推薦入試)という制度もあるようですが、当時は指定校推薦位しかありませんでした。
当時は「激戦入試」とか「狭き門」とか「底上げ」とか「入りたい大学より入れる大学」とか「現役偶然、一浪当然、二浪平然、二浪で駄目なら専門学校」とか「国易私難」と言われてました。
4,111時間が高校3年間の総学習時間
難関大受験者の学校以外での学習時間を調べたところ、現役合格者の学習時間は4,111時間、現役不合格者は3,814時間。特に高2・高1で合格者と不合格者の学習時間の差が大きくなっており、早期スタートが重要です。新学年になってからではなく、今からのスタートをお勧めします。
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勉強時間が全てではなく、部活動もあることからいかに効率よく時間を使って勉強をするかだと思います。
国立を志望するとなると5科目勉強する必要がありますし、中高一貫校でなければ高校3年間であの膨大な範囲を勉強し入試に対応できるレベルまで仕上げる必要があります。数学に至っては理科系だと3年生で微積分を習うので履修が終わっていませんでした。
その点では、高2までに全範囲を終えて高3の1年間は入試演習に時間を割ける中高一貫校のカリキュラムは時間的に有利だと思いますね。
その点では、積み上げ科目と言われる英語・数学・国語は1,2年生のうちから勉強をしておくことは大事だと思います。
75%が高2の3月までに志望校決定した割合
難関大現役合格者の志望校決定時期を調査した結果、中学以前が19.5%、高1が24.1%、高2が31.4%となりました。3つを足し合わせると「高2の3月まで」の志望校決定は75.0%にのぼっています。早めの志望校決定が、勉強のやる気にもつながります。
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志望校決定は目標を定めるという意味では重要です。
目指すゴールが見えないままだと何のために勉強しているのか?なんて思うこともあるでしょうから。
ただ早めに志望校を決定したために、受験に必要でない科目は勉強しなくてもいいという考えになってしまう負の効果もあります。
たとえ受験科目としては必要なくとも、どこでどんな風に役立つかわかりません。興味を持って受験に必要ない科目も勉強はしてほしいですね。
4.3倍が2022年の国公立大2次試験の志願倍率
2022年の国公立大学2次試験は98,635人の募集に対して、志願者は428,657人。志願倍率は4.3倍で、前年同様となっています。大学、学部により倍率は異なるため、気になる大学の志願倍率はウェブサイトなどで確認すると良いでしょう。
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下のグラフは18歳人口とその年の大学志願者数、現役大学志願率の推移をみたものです。
18歳人口は、1992年をピークに緩やかに減少し、2010年代には120万人前後で推移してきました。2018年度から再び減少期に入り、2021年度以降は毎年2万~3万人のペースで減少していきます。1992年の18歳人口と比較すると、2021年度ではすでに6割未満に減り、2024年度には半数にまで落ち込みます。
一方の大学志願者数をみると、2021年度は約66万人でした。大学志願者数がピークとなっていた1992年と比較すると7割ほどにとどまっており、「18歳人口の減少ほど大学志願者は減っていない」といえるでしょう。これは、高校卒業後に大学進学を志望する人の割合(現役志願率)が高まったためです。
折れ線の現役志願率に目を向けると、近年緩やかに上昇しており、2021年度には58.0%と過去最高となりました。新型コロナの影響で高卒生の就職が難しくなっていることや、大学入試の競争緩和により大学を目指す受験生が増えている様子がうかがえます。とはいえ、今後も18歳人口の減少は続くため、大学志願者数が回復することは考えにくく、緩やかに減少していくでしょう。
1:1が大学入試共通テストの英語のリーディングとリスニングの比率
2021年から始まった「大学入学共通テスト」では、英語の配点が大きく変化。「大学入試センター試験」は、筆記200点・リスニング50点で4:1でしたが、「大学入学共通テスト」はリーディング100点・リスニング100点で1:1。リスニングの重要性がぐんと高まりました。(大学により配点比率は異なります)
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「大学入試センター試験」は、「共通一次テスト」に変えて1990年から国公私立大学を対象として実施していた試験のことです。
国公立大学だけでなく、多くの私立大学が入試方法の1つとして採用していたため、高校3年生の約4割が受験する大規模な試験でした。この試験を利用する国公立・私立の各大学が大学入試センターと協力し、同じ日に同じ試験問題を出題することで、共同実施していたのがセンター試験の特徴です。
私の時代の「大学入試センター試験」の英語はたしか80分でリーディングのみでした。学校の英語の授業が文法とリーディング中心でしたからリスニングは苦手だったので助かりました。
ですから大学2年生の時に初めてTOEICを受験した時には、リスニングのボリュームと速さに圧倒されて当然スコアは最悪。自分は英語には向いていないと思ったのでした。
最近はリーディングに加えてリスニングも追加されるようになったと聞きます。
「大学入学共通テスト」になるとリスニングの重要性がぐんと高まるようですね。
社会人になってから一念発起して英語の勉強をしたこともありましたが、モチベーションが続かず挫折。ところが、転職した会社が英語を公用語とすると発表したために30代半ばにして英語を勉強せざるをえなくなりました。会社から全社員TOEIC800点クリアが命令されたためにもう必死で勉強しました。おかげさまで約2年半で450点upさせて800点はクリアできました。以降、英語を使って海外の方と仕事をすることもありましたが対応できるようになりました。
仕事が日本だけで完結する時代ではなくなってきたので英語は最低限必要な技術になってきているのを実感しています。
10年分以上が第一志望校の過去問演習量
出題傾向をつかみ、得点力を高めるために重要な過去問演習。その取り組みについて調査したところ、旧七帝大現役合格者は11.2年分。早慶現役合格者は10.2年分の演習を積んでいました。早期に受験全範囲の学習を終えて、演習にじっくり取り組むスケジュールが理想です。
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勉強時間と同様で過去問演習を何年分したかどうかは大事ではないと思います。
ただ学校毎の入試問題の傾向をつかんで戦略をもって勉強に励むことは大事です。
その点で、早期に受験全範囲の学習を終えて、演習にじっくり取り組むスケジュールは理想だと思います。
8.8%が18歳人口のうち国立大に進学する人の割合
全国の18歳人口は106~109万人。国立大の定員は9.5万人のため、約8.8%が国立大学に進学しています。年々、国立大学でも総合型選抜・学校推薦型選抜(AO・推薦入試)が増加し、その割合は入学者の17.6%になっています。(21年度)
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1992年当時の国立大学の定員が10万人程度でした。
全国の18歳人口が205万人としたら、国立大学の進学率は約4.7%です。現在の半分ですね。
選抜方法も総合型選抜・学校推薦型選抜(AO・推薦入試)などいろいろあるようです。
当時は国立大学で推薦入学があるなんて入学してから知りました。
87.2%が難関大現役合格者の部活生の割合
2022年の東進のアンケートでは、難関大現役合格者の87.2%が部活生でした。引退時期は学校や部活によって異なりますが、高3の1学期が45.9%、高3の夏以降が27.6%となっており、部活生の4分の3弱は、高3まで部活を続けたうえで現役合格していました。
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難関大現役合格者の87.2%が部活生という数字だけ見ると、部活をしていないと難関大に合格できないんだと早合点しそうですが、実態はどうなんでしょうね。
ただ一生に一度しかない高校生生活なので部活をしたければすればいいし、両立させるためにどう時間を使うかも大事な勉強です。
時間があればあるほど時間を無駄に使いがちで、時間がないほど集中して取り組むので結果的には効率的に時間を使えたりするんですよね。
+80分が2025年からの大学入試共通テストで増加する試験時間
2025年から実施されている新課程の「大学入学共通テスト」では、2日間で試験時間が80分増加。新科目「情報Ⅰ」の60分に加え、数学Ⅱ・B(・C)、国語の試験時間が10分ずつ増えます。多くの資料等から必要な情報を見つけ出し高速で処理する力が、ますます求められることになります。
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新科目「情報Ⅰ」が増えて、試験問題も長文化の傾向となりどんどん試験時間が長くなるんですね。
センター試験型の模試の時は1日で5教科受験だったので朝から夕方遅くまで受験で大変だったことを思い出します。
大学・学部の人気は時代によって変化する
2010年代初頭に顕著だったのは、国公立大学志向、地元志向などの強まりでした。2008年秋に起こったリーマンショックをきっかけとした景気の低迷が要因でした。国公立大学は私立大学に比べて学費が安いことなどから、不況時には人気となるのです。
河合塾の大学入試情報サイト
2015年度には、現行課程入試への移行に伴い、センター試験の科目負担増の影響で、国公立大学を敬遠する動きが見られ、志願者はやや減少しました。景気など社会環境はもちろん、入試の変化が志願動向に影響を与えることがあるのです。
社会環境の変化による学部系統人気の変化に話を戻しましょう。2010年代半ばにはリーマンショックの影響も去り、景気が回復、大学生の就職環境も好調でした。そのため、社会科学系を中心とした文系学部の人気が高まりました。一方で、医療系など資格に関係が深い学部系統は人気がありませんでした。また、一律に文系人気・理系不人気というわけでもなく、文系ではインバウンド拡大を期待した国際系の、理系では情報化社会の進展に伴い情報系学部の人気が高くなっていました。
現在、再び系統人気は変化しています。新型コロナウイルス感染症の拡大により、一部業種では業績が悪化し、大学生の採用にも少なからず影響が出ています。このため、資格に関連深い学部系統の人気が復活しています。また、就職に強いといわれる理系の各学部も概ね好調な人気となっており、なかでも情報系学部はリモートワークやオンライン授業などが私達の生活により身近になったこともあり、引き続き人気となっています。一方、外国語系の学部では、航空・旅行業界が打撃を受けていること、海外渡航が難しくなっていることなどから一転不人気となりました。このように学部系統の人気は時代によって変化するものなのです。
私の時代は国際系の学部が大人気でした。
今の人気学部はどこなのでしょうね。
データサイエンスの勉強ができる学部はいいなと思います。
まとめ
文部科学省がこれから必要とする力として以下の項目を挙げています。
- 資料から規則や定義を読み取って適用する力や情報を抽出して分析する力
- 要約する力
- 事象の関係性をとらえる力
- 仮説を立てたり検証したりする力
- 議論の構造を理解し前提を把握する力
これらの力がついているかどうかを試すのが大学入試であり、その力を養うために中学、高校のカリキュラムが組まれています。
30年で世の中は様変わりしています。
18歳人口、大学入試制度等々親の時代とは全く違ったものになっているようです。