私が中学数学を勉強した時に、ひっかかったのが「証明」の単元。
それまで計算結果を出せばいいものから、証明をするという流れや作法がどうも馴れなくて。
証明の探究 増補版 (共通教育シリーズ) を紹介します。
悪魔の証明
悪魔の証明をご存じですか?
悪魔の証明とは
「○○がないことを証明できないなら、○○は存在する」
「△△であることを証明できないなら、△△だ」
といった、「ない」ということを証明しようとする論法のことを指します。
未知証明と呼ばれることもあります。
「ある」ということを証明するのであれば、実際に事例を紹介すれば事足ります。
しかし、通常、「ない」ということを証明するのは容易ではありません。
想定されるすべての可能性をつぶさねばならず、それは通常、ほぼ不可能に近いからです。
また、それを利用して、相手に証明責任を転嫁することもしばしばあります。
なお、法律の世界では、訴訟において所有権を主張する際、帰属の証明の困難性を指して悪魔の証明と呼ぶこともあります。
数学の世界では
数学の世界でも似たような問があります。
〇〇〇が存在することを証明せよ。
〇〇〇は存在しないことを証明せよ。
という問題は、大学入試ではよく出題されます。
そんな証明に焦点をあてた本が 証明の探究 増補版 (共通教育シリーズ) です。
証明の探究 増補版 (共通教育シリーズ)
本の帯にも書いてあるように「数学の醍醐味は証明」だと思います。
- 平行四辺形の面積
- 11の倍数の判定法
- 背理法(基礎と応用)
- 数学的帰納法(基礎と応用)
- オイラーの多面体定理
- ピックの公式
などを題材に話が展開されています。
チャート式やレジェンドのような網羅系参考書とは違って、着眼点が丁寧に解説されています。
意欲のある高校生にはお勧めです。
一部、三角関数や行列を扱ったりもしています。
そこを分かるようになりたいからと先取り学習するというモチベーションになるのであれば、中学生でも十分活用可能な内容です。
証明の読み方・考え方
証明を扱った本としては、こちらもお勧めです。
証明の読み方・考え方〔原著第6版〕: 数学的思考過程への手引き
以前書いたブログで紹介していた本や、秋山先生の本と内容的にはかぶっている感じです。
量化子、 全称命題、存在命題だとか。
結局は論理の勉強です。
論理って、必要条件、十分条件の使い分けでしょ!
それ必要あるの?と思いがちです。
それで数学ができるようになるの?
数学を強化したいなら、論理の勉強こそ急がばまわれだと私は思っています。
正直、論理の勉強はとっつきにくいです。
だからある程度力があることが前提です。
でも理解したら、あとは方針さえ決まれば、論理に従って解くだけになります。
やるか、やらないかですね。
証明の読み方・考え方〔原著第6版〕: 数学的思考過程への手引き