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息子に聞かれた、微分積分は何に使うの?未来の予測ツールとピックの定理

高1の息子から、「微分積分」って何に使うの?と唐突に聞かれました。

理由を聞いたら、今年度の数学の授業で「微分積分」を習うそうです。

たぶん正しくは微分積分に入る前段階の「微分法・積分法」のことですね。

以前、奥さんがコンビニで見つけたといって「微分積分のすべてがわかる本」が息子の本棚に飾られているだけだったのを知っていたのでそれを読んでご覧とは言いましたが、簡単にレクチャーをしました。

実は微分積分の考え方は算数で面積や体積を求めるためにすでに使っているし、身近な車のメーターや体温計、桜の開花時期の予想などにも使われていることを説明しました。

今回はそこで話した内容についてまとめてみました。

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目次

実は身近な「微分」と「積分」~未来の予測ツール

微分法とは、動いている物体のある瞬間の速度を求めることです。

当時の数学者たちは、刻々と変化し続けている砲弾の速度を、計算によって導き出したいと考えるようになりました。

このような中、関数が描く曲線にある1点だけで接する直線の式を求めることができれば、その直線の傾きが、その瞬間の速度を表すということがわかってきました。

この直線のことを「接線」といいます。

そして接線を求める新たな手法こそが、微分法だったのです。

自動車の速度メーター

自動車には速度メーターが搭載されていて、走行中の速度がリアルタイムに表示されます。

たとえば、「時速60km」といった場合、「1時間に60kmの速度で走行している」という意味ですが、なぜ、1時間走行したわけでもないのに、速度がわかるのでしょうか?

自動車のタイヤには、回転を検出するセンサーがついていて、1回転で、何回信号が出るかが決まっています。

タイヤ1回転で進む距離は一定ですが、速度は絶えず変化しているので、回転信号の間隔も変化しています。

そこで、自動車では搭載されたコンピューターを使って、瞬間瞬間の信号の間隔を元に分析することで、速度を計算し速度メーターに表示しているのです。

このように微分の考え方を使えば、未来を予測することができるのです。

電子体温計が30秒で測れる理由

電子体温計には、実測式と予測式の2種類があります。

実測式は体温の測定に5分から10分程度かかるのに対して、予測式は30秒もかからずに測定することができてしまいます。

予測式とは、その名の通り、測り始めてからの変化をもとに、10分後はどうなっているかを、微分法を使った計算によって予測しているのです。

電子体温計には中に、微分方程式と呼ばれる方程式を解くプログラムが内蔵されていて、センサーの温度が上がる速度を算出し、それをもとに体温が何度で落ち着くか、10分後を予測しているのです。

微分法と逆の関係にあるのが、「積分法」

三角形や四角形など直線で囲まれた領域の面積を求めるのは、あまり難しいことではありません。

三角形なら「底辺×高さ÷2」、四角形だと「たて×横」で出せます。

しかし、曲線で囲まれた領域の面積を求めるのは、簡単なことではありません。

そこで、古代ギリシャの数学者で物理学者のアルキメデス(紀元前287頃~紀元前212頃)が、「取りつくし法」と呼ばれる方法を編み出しました。

取りつくし法とは、放物線の内側を無数の小さな三角形で埋め尽くし、その三角形の面積の総和を求めることで、間接的に放物線の内側の面積を求めるという方法です。

この、「無限に小さい部分に分けて、それを足す」という考え方が、積分法の出発点となりました。

桜の開花予想は積分法でわかる

春になると出される「桜の開花予想」が挙げられます。桜の開花予想は、積分法を使って導き出すことができます。

桜の開花が気温と密接に関係していることは日本では誰もが知っていることだと思いますが、「400℃の法則」や「600℃の法則」と呼ばれるものをご存じでしょうか。

400℃の法則とは、「2月1日からの日々の平均気温を足して、400℃に達した頃に桜が開花する」というもの。

また600℃の法則とは、「2月1日からの日々の最高気温を足して、600℃になる頃に桜が開花する」というものです。

たとえば600℃の法則に基づき、桜の開花日を予測するのです。

円の円周と面積、球の体積と表面積の関係

昔、球の体積は4/3・πr^3、球の表面積は4πr^2とおぼえませんでしたか?

なんで4/3なんて変な係数が出てくるの?と思いませんでしたか?

ここで微分を使ってみます。

円の面積πr^2をrで微分したら2πr。

これは円周の長さですね。

球の体積4/3・πr^3をrで微分したら4πr^2。

これは球の表面積ですね。

わかりやすく説明してくれている貫太郎さんの動画です。

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