昔、中学受験で息子の伴走をしていた時に4年生、5年生、6年生と学年が上がるにつれてどんどん難しくなっていきました。
その時に、4年、5年、6年の算数の違いってこんな感じなのかなと思ったことがあります。
小4、小5、小6レベルの3つの旅人算の問題を紹介します。
これは全て同じ条件のもとに私が作問したものです。
【小4レベル】
2400mの池の周りをA、Bの2人が同じ場所から同時に反対方向に歩くと、2人は10分で出会いました。また、2人が同じ場所から同じ方向に歩くと2時間でAはBに追いつきます。この時AとBの速さをそれぞれ求めなさい。
(解答)
具体的な数字を使った問題です。
同じ方向に歩いた時にAはBに追いつくのでAの方が速く歩く。
2人の速さの和は2400÷10=240m/分
2人の速さの差は2400÷120=20m/分
Aは(240+20)÷2=130m/分。Bは240-130=110m/分。
【小5レベル】
池の周りをA、Bの2人が同じ場所から同時に反対方向に歩くと、2人は10分で出会いました。また、2人が同じ場所から同じ方向に歩くと2時間でAはBに追いつきます。この時AとBの速さの比を求めなさい。
(解答)
少し抽象的になって比を使った問題です。
10分:120分=1:12 速さの和:速さの差=12:1とわかります。・・・①
Aの方が速いのでA:B=(12+1)/2:(12-1)/2=13:11
なぜ①が分かるかというと、
(A+B)×10=(A-B)×120から(A+B):(A-B)=120:10=12:1が言えます。
内項の積は外項の積に等しいことからもわかりますね。
【小6レベル】
池の周りをA、Bの2人が同じ場所から同時に反対方向に歩くと、2人は10分で出会いました。AとBの速さの比が13:11の時、2人が同じ場所から同じ方向に歩くと何分でAはBに追いつきますか?
解答
5年生の問題を少し変えて時間と比の融合問題です。
AとBの速さの比が13:11より⑬と⑪とおける。
池の周りは(⑬+⑪)×10=〇240
〇240÷(⑬-⑪)=120分
池の周りを〇240 と表す考え方はよく使いますね。
文章題の攻略法
最近はお子さんと一緒に算数を勉強されている保護者もたくさんおられるようですが(昔の私もそうでした)、どのレベルまでいけますか?
旅人算の問題の解き方を理解していれば、小4レベルは楽勝ですね。
ここに比が入ってくる小5レベルが攻略できるかが分かれ目です。
文章問題の攻略は、〇〇算の解き方でなく、基本の考え方にどう当てはめて考えられるかです。
その基本とは
「そろえて、くらべる」
これは算数に限らず、何かを考える時に無意識に使っている思考法です。
ほぼすべての問題がこれを使っています。
そして使う道具は「たし算、ひき算、かけ算、わり算」です。
文章題を方程式で全て解けるのと本質は同じだからです。
さいごに
お子さんは「〇〇算の解き方」を一生懸命に覚えようとしていませんか?
覚える勉強をしていたらきりがないです。
そこにある「本質」をくみ取る勉強ができるようになれば、最短距離で必要な学習ができあとは問題演習に時間を取ることができます。
そもそも「〇〇算」という言葉は、単に問題を分類するラベリングのようなものです。