今回は女子御三家の中でも最難関の桜蔭中学校です。
東大合格者数では女子校最多を続け、医学部進学者も多い、まさに女子最高峰の進学校です。
桜蔭中学校の算数
大問4つで小問で14問を50分で解く構成です。
算数の出題も質・量ともに女子最難関を誇り、生半可な実力では太刀打ちできないです。女子校の算数では別格の難しさで男子御三家に匹敵するかそれ以上の問題が出題されることもあります。
それでは、問1の(1)計算問題と(2)の歯車問題を見てみます。
どちらも丁寧に解けば解ける問題ですが、計算の工夫をいかにするかが正確かつスピーディに解くポイントになります。
時間のあるうちは解ければいいではなく、どのように工夫をしたら早く正確に解けるかを追求する勉強をすると、いざ入試になってもそういう工夫を自然とできるようになります。
問1(1)計算問題
では最初の計算問題からです。
愚直に計算をしてもいいのですが、計算の工夫をすることで最短距離で答えを出したいものです。最短距離を行くということはそれだけ計算の機会を減らすので計算ミスを回避できるからです。
まずこの式を見た時に、4という数字と、帯分数の2が共通していることに気づけることがポイントです。
2と37/54を文字通り分解します。
そうすると、(0.003+□)×4=(2+106/135)-(2+37/54)=106/135-37/54
と帯分数の2が消えて、54と135は27の倍数から右辺の分母を270で揃えて計算すると1/10(=0.1)ときれいになります。
あとは(0.003+□)×4=0.1を計算して
答え □=0.022
計算の工夫をしないで帯分数を仮分数に直して計算をしていたら計算が大変だったと思います。きちんと計算できたとしても再現性という観点からは常に計算の工夫ができないかを考える練習をしましょう。
問1(2)歯車問題
つぎは塾のテキストでも扱う歯車問題ですがBとCのように同じ軸の時の動きをどうとらえられるかがポイントでした。
歯車がかみ合った場合は(歯の数)×(回転数)が同じになるということ。BとCのように同じ軸につながっている場合は、回転数が同じであること、これをベースに考えることになります。
(1)これはAとBがかみあって、CはBと同様に動いて、CとDがかみ合っている関係性の把握を最初にします。
(1)Bは(68×11÷48)回転します。(ここで計算はしません)
これがCの回転数になるので、Cは(68×11÷48)×27の歯が動きます。なのでDの歯は(68×11÷48)×27÷(7と19/24)を計算して54となります
答え イ:54
計算結果を使う場合は、あとで同様のことをすることが見えていたらあえて計算しないで式のままで考えるというのも計算の工夫です。
(2)Aが5回転した時のDの回転数にかかる時間はやっぱり3秒です。
(2)Aが5回転するときにDの回転数は比例するので、7と19/24×5/11より85/24回転する。
よって12÷85/24×3=10と14/85
答え ウ:10と14/85