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少ない武器でどう戦うかが算数と数学の頭の使い方の違いかな?

某大手塾で算数を教えており、著書もいくつかある五本毛先生のブログはいつも参考にしています。

今回は、「新学年の変わり目に、算数と数学の違いを論じてみる(ある付属高校の入試問題をネタに)」というブログを紹介します。

2022年度(昨年度)中央大学付属高校の入試問題を使って、算数と数学の頭の使い方の違いを比較してみます。

下の問題を何通りの解き方ができますか?

数学で2通り、算数で1通りの解き方があると思います。

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2022年度中央大学付属高校

2022年度(昨年度)中央大学付属高校の入試問題からです。

右の図は線分BP=円の直径です。

AB=ACの時、xは何度でしょうか?

解法1(数学その1)

五本毛先生のブログでも紹介されている解法です。

こちらのブログ「コンパスって何のために使うもの?」で書いているように、

円の問題だとまず中心Oを押さえます。

すると∠AOB=128°

△OABは二等辺三角形なのでx=(180°- 128°)÷2=26°

と求められます。

この場合のOAの補助線は「円周角の定理」を使うため、というはっきりした目的のある補助線です。

解法2(数学その2)

線分BPが円の直径なので∠DAB=90°

∠DAC=∠DBC=90°- 52°=38°

△ABCが二等辺三角形なので底角は64°

∠ABD=64°-38°=26°

この場合のCD、DAの補助線は同様に直径という条件から「円周角の定理」を使うため、というはっきりした目的のある補助線です。

解法3(算数)

五本毛先生のブログでも紹介されている解法です。

円の中心をOとすると、△AOC≡△AOBでともに二等辺三角形より

∠CAO=∠BAO

したがってx=52°÷2=26°

円の中心をおさえることで、合同な二等辺三角形が見つかると瞬殺でした。

五本毛先生のコメント

受験算数では小学生が算数として勉強する範囲の知識で解ける、ということが前提で出題されますからそれほどたくさんの定理を知っている状況で問題を解くわけではありません。

なので、数学を学問的に勉強して、たくさんの定理を使いこなして解くというよりは、どういった方向に考えを持って行けば答えが絞られていくのか、といったことを意識して問題を解くことが求められます。

ただゴホンゲはそういったあいまいな部分があることを前提に「生きる知恵」的な感じで答えを導いていくような部分もある受験算数の指導に魅せられています。

(たとえばあいまいな部分が多いからこそともすれば理屈からも外れてしまいがちになるわけで、そのへんをどううまく教えたらいいか、とか色々注意すべきことはあるわけです。)

だから拙著の問題集においても知識だけでなく「頭の使い方」「手の動かした方」というものにもかなり力点を置いた授業実況的なものになっているわけです。

そして数学的なことについては中学高校であらためてしっかりやっていくだろうから中学に進学していく子達へのエールも「数学しっかり勉強してね!」よりは頭を鍛え続けて幸せな人生を切り開き続けてね、的なものになっていくんだと思います。

ひとつ中学に進学する子達に言うことがあるとすれば、定理という武器をたくさん身に着けないといけないわけですが、そのことによって楽になる可能性もあるわけです。

算数が苦手でも数学になったら抵抗感がなくなる、ということも珍しくはありません。

なので、特に算数に苦手意識があった人は、そういった気持ちはリセットして臨んでもらえたらな、と思います。

新学年の変わり目に、算数と数学の違いを論じてみる(ある付属高校の入試問題をネタに)

さいごに

私も受験算数が全然できなかったのに、中学数学になるとがぜん得意科目になった1人です。

受験算数の少ない武器を駆使した頭の使い方ができなかったのですが、

数学は武器がたくさんあるので解きやすかったのです。実は五本毛先生の

そういったあいまいな部分があることを前提に「生きる知恵」的な感じで答えを導いていくような部分もある受験算数の指導に魅せられています。

の部分に強い共感を感じています。

仕事で金融工学(デリバティブのような)を扱っていた時は統計学などの高等数学を使ったりしましたが、普段の仕事では使うのは算数で言う「たし算、ひき算、かけ算、わり算」という四則演算です。

計算という意味だけでなく、考え方としてAという考え方とBという考え方を融合(足し算)してみたり、AからBを除いて(ひき算)みたりと考え方として算数を使う場面はたくさんあるからです。

息子の中学受験が終わった後は大学入試の数学を趣味で解いたりしています。

数学だと武器が多いのでテクニカルに色々な解き方を見つけられる面白さはあります。

でもやっぱり算数の頭の使い方って大事だなと改めて思うのです。

「素材そのものをどうやって味わうか」というような考え方に思えるからです。

なので、最近は大学入試問題を算数(もしくは中学数学)で解けるならどうやって解くかを考えることに面白さを感じています。

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