科目の勉強をする時のベースは「教科書」だと思っています。
チャート式などのような網羅系の参考書から入る方法も間違いだとは思いませんが、教科書は導入のストーリーを考えたうえでの構成を意識して作られています。
問題が解けるということよりも単元理解に重きを置いています。
そこで、2024年6月に発売された「一度読んだら忘れない数学の教科書」の紹介です。
一度読んだら絶対に忘れない数学の教科書
出版社の内容紹介
出版社による内容紹介です。
1つのストーリーで読む新感覚の数学の教科書!
【累計100万部突破シリーズ最新刊! 】
数学の勉強といえば、
「たくさんの公式や解法をひらすら暗記!付け焼刃の知識で問題演習!」
というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
結局ぜんぶは覚えきれず、挫折してしまった人も多いかもしれません。
でも本当は、数学の勉強に公式の丸暗記なんて一切不要! 中学で習う、図形、数と式、確率、関数、統計、の5単元をそれぞれの歴史的「起源」から学ぶことで、バラバラで意味不明だった数学の知識が1つのストーリーでつながります。
現役の中学生からロジカルシンキングを身につけたい社会人まで、必読の1冊!
情報を視覚化する、虫の目と鳥の目で見る、差や比を考える……数学的着眼点を養えば、経験したことのない問題に対して最適な解決法を見つけられる。
文系・理系を問わず、必要不可欠な数学の力を、「解く喜び」を感じながら獲得できる画期的な一冊。
どうしたら数学ができるようになるか?
こちらは、著者のコメントです。
職業柄、「どうしたら数学ができるようになりますか?」と聞かれることが多いです。
そんなとき私は決まって「暗記しようとしないことです」と答えます。
公式を暗記し、そこに数字をあてはめて問題を解く、という行為は数学的ではありません。
テストが終われば丸暗記した公式は忘れてしまうでしょう。 反対に、「なぜそういう結論になるのか」というプロセスに目を向けられるようになれば、数学は、いずれ忘れてしまう知識ではなく、忘れたくても忘れられない知恵になります。
各章の内容
各章の内容を著書のコメントにより紹介します。
第1章の「図形」
古代ギリシャで発展し、ユークリッドの『原論』にまとめられた幾何学(図形)の内容を扱います。
『原論』がその後2000年以上も読み継がれ、欧米の知識階級の常識になったことからもわかるように、図形についての学びの中には論理的(数学的)に考えることのすべてがあると言っても過言ではありません。
それだけに、この章は全体の中で一番難しいです。
著書は歴史を縦糸にしている関係で、「図形」が1章に配置されていますが、他の章を終えてから1章に戻ってきていただくのも良いでしょう。 図形を通して論理を学ぶ事こそ、中学数学を学ぶ最大の肝であると考えてください。
第2章の「数と式」
インドやイスラム世界など非ヨーロッパ圏で発展した数学、特に負の数を含む計算や方程式の解法、因数分解、平方根の扱い方などを紹介します
第3章の「確率」
中世ヨーロッパの貴族社会の中でギャンブルが盛んになったことで生まれた確率の基礎について学びます。
第4章の「関数」
16〜17世紀の科学革命の引き金となったデカルトによる座標平面の導入に焦点を当て、代数学と幾何学の統合から関数の概念の登場、そして(中学の内容を逸脱しますが)微分積分へと至る道筋もたどります。
第5章の「統計」
18〜19世紀の近代国家の形成、20世紀のコンピュータの発達に伴うデータマイニングのニーズを通して発達した統計の基礎を学びます。
今や統計リテラシー(統計を理解し使いこなす能力)は社会人の必要不可欠な素養になりました。
そこで本書では中学の範囲を超えて「標準偏差」「正規分布」「推測統計」などの発展的な内容も扱います。
著者の経歴
著者の永野氏は不思議な経歴の方です。
なんで知っているかと言うと、私が参加した後の回で
広中平祐氏主催の「第12回数理の翼セミナー」に東京都代表として参加されているからです。
広中平祐氏主催の「第12回数理の翼セミナー」に東京都代表として参加
暁星高等学校卒業
東京大学理科一類入学
東京大学理学部地球惑星物理学科卒業
同大学院宇宙科学研究所(現JAXA「宇宙科学研究本部」)中退
レストラン経営に参画
日本ソムリエ協会公認ソムリエ(ワインエキスパート)資格取得
ウィーン国立音楽大学指揮科留学
教員採用試験受験対策雑誌「教員試験」(文教学院出版)著者
株式会社文理にて、参考書等の執筆、補筆
東邦音楽大学元講師(指揮法・オーケストラ)
2024年6月に発売、「一度読んだら忘れない数学の教科書」
一度読んだら絶対に忘れない数学の教科書