日本の東京証券取引所が11月5日から取引終了時刻を30分延長し、午後3時30分に変更するそうです。
東京証券取引所が取引終了時間を延長するのは、1954年に終了時刻を午後2時から午後3時に変更して以来、約70年ぶりとなる。
取引時間を延長する目的や背景
東京証券取引所(東証)が取引時間を延長する理由には、以下のような目的や背景があります。
- 国際競争力の強化
- 取引機会の拡大
- 市場の効率化
- 投資家ニーズへの対応
国際競争力の強化
世界の主要な証券取引所と比べて、東京証券取引所の取引時間は短いとされていました。特に、アジアやヨーロッパの市場と比べると、取引時間の差が影響して、投資機会の損失や海外投資家の参入機会の減少が懸念されていました。取引時間を延長することで、こうした国際的な競争力を高める狙いがあります。
取引機会の拡大
取引時間を延ばすことで、投資家にとっての取引機会が増えます。特に、終値が決まる前後の時間帯は、情報が活発に出回るため、これに応じた取引が可能になることで市場の流動性が高まります。
市場の効率化
取引時間を延長することで、市場の流動性を高めるだけでなく、情報をよりタイムリーに織り込むことができます。これにより、価格発見機能が向上し、市場がより効率的に運営されることが期待されます。
投資家ニーズへの対応
国内外の投資家のニーズに応えるため、取引時間を延長することは重要です。特に、グローバルな投資家にとって、タイムゾーンの差を考慮した柔軟な取引時間は、利便性を高める要因となります。
これらの理由から、東京証券取引所は取引時間を延長し、より多くの投資家が効率的に参加できる市場を目指しています。また、近年ではアジア地域での金融ハブとしての地位を強化するための取り組みの一環としても、こうした変更が行われています。
決算発表への影響
気になるのは決算発表の時間帯で、現在は多くの企業が取引終了後の15時~15時29分に集中しています。
東証の取引時間延長が始まる11月上旬は9月中間決算発表の集中期に当たります。
報道によれば、東証が10月3日時点でまとめた中間集計によると、今年夏に24年4~6月期決算を取引終了後の午後3時~3時29分に開示した1103社のうち、半数程度の約500社が従来通りの時間帯に開示すると答えました。
一方、午後3時半以降に遅らせると回答した企業は2割の約200社に上り、午後3時よりも早めると答えたのは50社強にとどまるとのことです。
約半数の企業が取引時間中に決算発表を行うことになるので、自動売買の影響もあり値動きが荒くなる可能性があります。
さいごに
取引時間が30分延長されることは、国際マーケットに準ずることなので歓迎されることだと思います。
長年、株式市場は15時で閉まるという認識でした。それが約70年ぶりに改訂されるわけです。
この変更は残り1か月となっているにもかかわらずまだあまり知られていません。
東証の投資家への啓蒙活動は過渡期とはいえ、しっかり伝えていただきたいものです。