私がいつも頭の体操がわりにチェックしている”ますいしい”さんのブログを紹介します。
普段は大学入試問題を中心にとても参考になる解法を紹介されています。
ブログはこちら⇒ますいしいのブログ
時々高校入試問題も紹介されており今回は、2023年早稲田大学高等学院問1の小問2問です。
(2)は難関大の大問としてもおかしくない問題だということで私も解いてみました。
たしかに、ますいしいさんはかなり式を駆使して解いています。
実は、あることに気づけば計算することなく答えを出すことができました。
中学受験では知っておいた方がいい「加比の理」を使っています。
問1(2)
2023年度 早稲田大学高等学院の入試問題全問はこちらです。
たしかにいきなり問1(2)でこの問題を見たら面くらいますね。
問題
私の解法
BDとPQ、SRが交わる点をそれぞれE,Fとします。
△ABDは30°、60°の直角三角形。△BCDは直角二等辺三角形であることが条件からわかります。
条件から△BPQ≡△DSRであることがわかります。
したがってPQ=SRとなり□PQRSは平行四辺形であることがわかります。
BAとRSの交点をTとしたら、PQ//SRより角BPQ=角ATS、角RSD=角AST
角BPQ=角RSDより角BPQ=角ATS=角RSD=角AST
△ATSは直角二等辺三角形になることより角BPQ=45°とわかる。
したがって角BQP=60°
ここで□PBDSを△PBE,□PEFS,△SFDにわけます。□BQRDも同様。
△PBEと△QBEは高さが同じなので面積比は底辺の比となりPE:EQが分かればいい。
同様に□PEFS:□EQRF=PE+SF:EQ+FR。△SFD:△RFD=SF:FR
つまりPE+SFとEQ+FRの比が分かれば求める面積比を出すことができることに注目します。
△BPQ≡△DSRから△PBQと△SDRを左図のようにくっつけます。
△BPQ≡△DSRから△BQF≡△QDFよりBF=DF。
△PBE≡△PDEよりBE=DE。
BDとPQの交点をGとします。
△BQG≡△DQGより角BGQ=90°、つまりBDとPQは垂直になっている。
△BQGは30°,60°の直角三角形、△BGPは直角二等辺三角形であることがわkる。
角FBG=角EBG=15°より□BFDEはひし形。
PE+SFとEQ+FRの比は1/2×(PE+SF)と1/2×(EQ+FR)と同じ。
つまりPG:GQの比と同じになるので、PG=BGよりPG:GQ=√3:1
□PEFS:□EQRF=PE+SF:EQ+FR=√3:1
よってともに√3:1の面積比になるので加比の理より求める図形の面積比は√3:1より答えは√3倍となる。
さいごに
いががでしたでしょうか?
過程の文章を書くと解くのに時間がかかるように見えますが、実は方針さえ見えたら30°、60°の直角三角形の辺の比の1:√3だけを使うので計算の必要なく答えを出せました。
答えを出すに至るまでには色々な基本図形の性質をきちんと押さえておくことが重要な問題でした。
早稲田高等学院側でどのようなアプローチを想定しているのかは定かではありませんが、問1(2)という出題の位置づけを考えたらそんなに計算をさせることは想定していないように思います。
面積比を求める際に30°,60°の直角三角形と、直角二等辺策角形を見つけることができて、加比の理を使うと計算をしなくても答えを出すことができました。
加比の理は中学受験でも図形問題や文章問題などでも使える考え方なので、ぜひ押さえておきたい事項です。