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【本】中高生向け、文系でもわかるAI時代の数学

政府が掲げる「Society 5.0」では人とAIが共存する社会が謳われています。

そんな「数理資本主義」とも言われる時代に求められるのが数学です。

「AIリテラシー」を身に着ける上で欠かせない数学の真髄となる4つの分野は

「統計」「微分積分」「線形代数」「トポロジー」です。

永野裕之著書「文系でもわかるAI時代の数学」ではこの4つの分野について難解な数式を使わないでエピソードや身近な例で解説されており、新しい時代を生きる知識を得られる本です。

文系ビジネスパーソン向けと謳われていますが、むしろ中学、高校生に読んでもらいたいです。

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目次

文系でもわかるAI時代の数学

文系ビジネスパーソン向けと謳われていますが、むしろ中学、高校生に読んでもらいたいです。

中学高校で数学を勉強するのは大学入試のために勉強しているという学生は多いと思います。

勉強している数学が将来どう活きていくのか想像が難しいからだと思います。

この本は、社会でどのように活きていくのかを分かりやすく説明されています。


統計

統計の「統」は「まとめる」、「計」は「かぞえる」という意味を持ちます。

すなわち「統計」とは「すべてを集めて計算する」といった意味の用語です。

統計の計算には目的があって、それは数字の羅列から価値ある情報を得ることです。

場合の数

統計の中には「確率」という分野があり、その基礎となるのが中学受験でみんなが苦手とする「場合の数」です。

「ものを数える」という行為は文明の一番最初からあり、生活において必要なことです。

少ない個数を数える場合は、1個、2個と数えてもいいのですが数えるべき対象が大量になった場合は効率よく数えるための知性が必要になります。

百円玉がたくさんある時に、10枚ずつまとめて数えるのも一つの知性です。

人にものの個数を数えてもらえればその人の知性を測ることができます。

大学入試、公務員試験やSPIで全部で何通りあるかを考えさせる問題が出されるのはそのためです。

平均値

平均値で考えることは多いのですが、平均値にも3種類あることはご存じですか?

①相加平均(算術平均)、②相乗平均(幾何平均)、③調和平均

の3つです。

また、中学受験の問題で平均の速さの問題を習いました。平均の速さは③調和平均を出しています。

ちなみに、平均の速さの公式の正体は?「平均の速さ」の公式の正体とは速さの加重平均であることを紹介しています。

微分積分

微分積分は表示奥が深い分野です。

正方形の面積や円の面積を求める考え方は微分積分そのものです。

円の面積πr^2を微分すると2πrとなり、これは直径×円周率で円周の長さを求めたことになります。

球の体積4/3・πr^3を微分すると4πr^2となり、これは球の表面積を求めたことになります。

公式は覚えるものでなく、導き出せるものだということが言えます。

(テストのことを考えたら覚えた方が効率的です)

微分積分の考え方はいたるところに応用されていて、関数とのつながりなどがこの本で紹介されています。

線形代数

線形代数という言葉は聞きなれない単元ですが、私が高校生の頃は「行列」や「1次変換」という単元で習いました。

多元連立方程式も行列を使って解くことができることも習いました。

今は「行列」も「1次変換」も外れ、その代わり「複素平面」が入っています。

こちらのブログ「連立三元1次方程式」では逆行列でなく、コンピューターが「連立三元1次方程式」を解く考え方に触れています。

話を元に戻して、線形代数の基本は小学校で習った「比例」です。

比例の関係にあれば線形であると言えるのです。

他には教科書ではきちんと習わない、ベクトルの「内積」「外積」の本来の意味についても紹介されています。

トポロジー

トポロジー(「位相幾何学」)を簡単に言えば、新しい図形の見方です。

AIの画像認識の技術に大きく貢献している分野なのです。

イメージとしては、コーヒーカップとドーナツのように全く違って見える図形同士でも「同じ」と拡大解釈し、図形を抽象化する考え方です。

「合同」「相似」「射影」の図形も同じと考える分野なのです。

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まとめ

中高生が勉強している数学がどのようにつながっていくのかをやさしく説明されている本でおすすめです。

著者は現在「永野数学塾」を経営されていますが、東大理学部卒、JAXA中退、ウィーン国立音楽大学指揮科留学と不思議な経歴の持ち主です。永野裕之のプロフィール

また、「広中平祐氏主催の「第12回数理の翼セミナー」に東京都代表として参加」とあります。

私の参加回とずれていました。

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