地獄を見た〝村神様〟が最後の最後に決めた!
過去のWBCの決勝戦を含め多くの野球の試合を見てきましたが、今回の準決勝の試合ほどレベルが高く、緊張感があって、劇的な試合はありませんでした。
WBC日本代表・侍ジャパンは準決勝・メキシコ戦(ローンデポ・パーク)に6―5の逆転サヨナラ勝ち。
村上選手が1点を追う9回に劇打を放ち、ついに世界一に王手をかけました。
3三振を含む4打席凡退で迎えた最終打席で見事な汚名返上。
3大会ぶりの頂点を目指す侍が、米国が待つ決勝に勢いを持って勝ち進みました。
決勝の切符をもぎとったこの試合はキャッチャーを3人すべて使うなどもう全員野球で、全員でもぎとった試合でした。
あれだけ昨年活躍した村上選手がこのWBCではブレーキになっているのに、その村上選手の力を信じ続けた栗山監督の新年の勝利だと思っています。
栗山監督がなぜそこまで村上選手を信じられるのかを探ってみました。
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準決勝を振り返る
先発の佐々木投手は3点を取られたが、球速、コントロール共に素晴らしかった。
メキシコのサンドバル投手も素晴らしく投手戦でした。
この動画にこの試合のポイントがほぼ網羅されています。
動画に収録されていませんが、
- 7回表の源田選手の盗塁阻止:「源田の1ミリ」
- 8回表の吉田選手のバックホームによる追加点の阻止
も劇的サヨナラへつながったポイントだったと思います。
そして、ノーアウト1、2塁で1塁代走で出場した周東選手が村上選出一打で1塁からホームへ帰ってきた走塁もすばらしい!
普通は1塁から3塁まで進めるのがやっとですが、足の周東選手だけに打球から既にスタートを切っていたのだと思います。
前を走る大谷を抜かしかけるほどの圧倒的な快足。
「テレポートしたような感覚」
「彼がスライディングしながら生還するのを見たとき、“どうしてもうあそこにいるんだろう”と思った」
【#源田の1ミリ】
— テレビ朝日野球《公式》 (@tvasahibaseball) March 21, 2023
リプレイ検証の結果……
ギリギリのところで…タッチアウト‼️
これぞ日本のショートストップ🔥#源田壮亮 #源田たまらん#WBC2023 決勝
📺あす3/22(水)あさ7時!#テレビ朝日 系列で地上波独占生中継!#WBC #ワールドベースボールクラシック#侍ジャパン #野球 #baseball pic.twitter.com/MyYvDZj6uV
準決勝の村神様
村上選手の気持ち
準決勝のこの日は空振り三振、見逃し三振、空振り三振、ファールフライと打撃では得点チャンスを生かせず、いいとこなく迎えた最終打席。4―5で迎えた9回無死一、二塁。
大谷選手が二塁打で出塁し、吉田選手が四球でつないで回ってきた打席だった。
吉田選手が四球となって一塁方向へ歩いていく時に、ネクストバッターサークルにいる村上選手を指さして
お前が決める番だぞ!
と言っているように見えました。
村上選手は
「このWBCではなかなか結果が出ず、監督も打順など、僕に対してすごい気を使ってくれた。その気持ちも伝わってましたし、何とかしたいなという思いはすごくありました」
と試合後の会見で語っています。
世間はこの場面でどう思ったか?
まず大谷選手がノーアウト2塁になった時は、まずは1点取って同点にしてタイブレークというシナリオを考えたと思います。
吉田選手が送りバント、村上選手の犠牲フライ。
ところが吉田選手が四球となりノーアウト1,2塁。ならば村上選手に送りバントのサインが出てもおかしくないと思ったはず。そのあと犠牲フライとヒットでサヨナラのシナリオの確率の方が高いと誰もが思ったはずです。
予選ラウンドでは4番は自分しかできないと言い聞かせたものの結果が出ず、準々決勝からは5番へ。
村上選手に弱気の虫が見え始めていたところでした。
直前に城石コーチから「お前に任せた」という監督の伝言を聞かされ、
持ち前の負けん気を取り戻して放った意地の一打だったのです。
栗山監督の村神様を信じ続ける力とは
準々決勝から不動の4番を外れ、5番に打順を下げた。
だが栗山監督は復調を信じ続け、信念が揺らぐことはなかったそうです。
試合後の会見で
「最後打ちましたけど、本人の中ではまだチームに迷惑をかけているという感じしかないんじゃないか。あんな打者ではないので。「世界がビックリするようなバッター。それを僕はこのWBCで証明したいと思ってやってきた。本人にずっと言ってきたんで。『最後はお前で勝つんだ』とずっと言ってきたんでね。僕は信じます」。
優勝するためには、欠かせない〝村神様〟の復活劇。
サヨナラ直後、ベンチから飛び出したナイン、生還した大谷、周東が一目散に村上の元へ駆け寄りもみくちゃにした。
まさにチームが待ち望んでいた瞬間でした。
栗山監督の選手を信じる力
栗山監督は世間のだれもが否定や批判をしてきた大谷選手の二刀流をずっと信じて、支え続けたのは有名です。
他にも栗山監督は日本ハムの監督時代にどんなに調子が悪くても中田翔選手を4番で起用し続けました。
日本ハムで活躍出来なかった斎藤佑樹が11年間在籍出来たのも栗山監督が特定の選手に対して強い拘りがあるのでしょう。
栗山監督が村上選手を使い続けているのは「人情派なので、村上宗隆の三冠王のプライドを大事にしている為」と言われますが、根底には選手の真の能力を見極める力があるから信じることができるのでしょうね。
まとめ
WBC日本代表・侍ジャパンの試合は史上最高のドリームチームであるので壮行試合も含めすべて見ています。
プロ野球選手の個々の能力の高さに感心するばかりです。
ダルビッシュ選手がうまくチームの結束を作ってくれ、大谷選手をはじめとしてみんながこのチームでずっとやっていたいと思えるチームになっていることは選手の表情を見ていてもわかります。
あと1試合このチームで試合ができます。
それもアメリカの地でアメリカと決勝戦。
最後にものをいうのは、監督と選手の信頼関係。
個々の選手の力をうまくまとめ上げてきた栗山監督の「信じる力」のすごさを見せつけられた試合でした。