あんなに勉強したのに
点数があがらない。
偏差値があがらない。
なんで?
自分では一生懸命勉強したはずなのに、結果に結びついていないのはなぜ?
得点力がまだまだと言われるけど、その得点力を測るにはどうしたらいいの?
こんな疑問はあるあるですよね。
かつて息子の中学受験の3年間の伴走の記録としてアメブロを書いていました。
伴走してみて「勉強の成果を確認するアプローチ」と「財務三表を見るアプローチ」が非常に似ているなと思ったので、アプローチ方法と、具体的にどうすればいいかを紹介します。
よくある父親が成績管理する時の方法
受験勉強を手伝っている父親は仕事の延長線上で考えやすいのか、すぐにエクセルを使って管理したがるんですよね。
試験の結果の点数や偏差値のグラフ化や標準偏差値を逆算してみたり。
右肩上がり傾向なのか?
あと何点とれば偏差値がいくつになったか?
私もやってました^_^
中には、最終目標を適切に分解したKPI管理をする方もいましたね。
*KPIは、”Key Performance Indicator”の頭文字をとったもの
これは企業などの組織において最終的な目標に到達するために、その前段階としてまずはこの目標を達成しようという中間目標を表す指標です。
まず最終目標であるKGIが明確になっている上で、その目標を適切に分解し中間目標であるKPIを設定します。それから、その分解された中間目標のための手段を決め行動に移します。
そして、その手段が正しく成果に向かっているかどうかの進行状況を定期的にモニタリングし確認するためのものがKPIです。
会社経営でも月次決算が大事
多くの中小企業で「試算表」を出すことが「月次決算」なのだと勘違いしがちです。
毎月の試算表をそのまま眺めてもほとんど経営の役に立ちません。
数字に弱い経営者ならなおさらです。
経営者目線で毎月正しく経営状況を把握するには数字の捉え方、読み方に工夫が必要です。
経済が右肩上がりの時代なら、がむしゃらに頑張れば、利益が後から付いてきました。
けれど今の世の中は毎月の数字を早く正しく読み取り、PDCAをきちんと回さなければ、利益を出せなくなっています。だからこそ正しい月次決算を理解し、経営者が何を読み取るべきなのかを知ることが必要です。
・会社の状況を把握するにはどの数字が重要なのか
・財務体質を改善するためにはどの数字がポイントなのか
・社内でPDCAを回すためには、どのように数字を社員と共有するのか
なんだか学力の進捗確認って会社が月次決算をしてその内容を読み取って次に生かすようにすることと同じに見えませんか?
財務三表って何?
そもそも「財務三表」って何?
企業会計の実務では、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/F)を総称して、「財務三表」と呼びます。財務三表を分析することで、会社の財政状態、経営成績の全体像が見えてきます。
- 損益計算書はある一定期間の業績を表します。
- 貸借対照表は会社の保有している資産、負債、純資産を表します。
- キヤッシュフロー計算書は一定期間のキャッシュの使われ方を表します。
損益計算書では売上と利益に注目してみますが、これはあくまでも過去の実績であり未来、今後を占うものではありません。今後の行方を占う情報は実は貸借対照表に詰まっているのです。
そしてその貸借対照表に詰まっているデータがどのように使われたかをキャッシュの視点から見たのがキヤッシュフロー計算書になります。
業績がいい会社は
損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書がそれぞれバランスが取れています。
あるCFOが、売上、総資産、時価総額それぞれを三角形の一辺と見立てた時に正三角形ができている状態が望ましく、常に財務状況がにどんな三角形を形成しているかを気にしているという話を聞いたことがあります。
学力の進捗を見る時にはこの「財務三表」をイメージしてお子さんの理解度や完成度を見ていけるのではないかと考えました。お子さんの頭の中がどんな状態にあるのかを確認するイメージです。
財務三表を勉強の成果に当てはめたとしたら
損益計算書は?
損益計算書は、模擬試験で獲得した偏差値。
これはわかりやすいと思います。
貸借対照表は?
貸借対照表は、塾や家庭学習でインプットした学習内容がどれだけお子さんに身についているかを見る指標。
キャッシュフロー計算書は?
キャッシュフロー計算書は、インプットした学習内容がどれだけ得点に結びついた勉強になっているか、一方で失点につながる不注意や勉強不足があるかをみる指標。
と言い換えることができると思います。
結果の偏差値だけを追っかけていてもそれは過去の結果だけでしかなく未来の状況を占うものではないと言うことです。
定点チェックという意味では偏差値は重要ですが、本当に重要なのはこれまで勉強してきた内容がきちんとお子さんの頭の中に蓄積されて、理解されているかを見ることだと思います。
勉強に関する貸借対照表ってどう作るの?
勉強に関する貸借対照表ってどう作るの?と思うかもしれませんが、
一つの方法としてはこれまでの塾のテキストのそれぞれの項目の重要ポイントを頭の中の棚卸しをして資産項目として書き出してみます。
お子さんが自分の言葉で説明できていない項目は負債項目として書き出します。
その差(会計で言う純資産)が多ければ多いほど身についていると見える化ができます。
さらに時価(実質)評価ができるとなおよし!
夏休みを過ぎると、6年生はいつから過去問を解いたらいいの?という話題になりますが、
過去問を一生懸命解くことよりもこの見える化をすることが大事ですよ。
キャッシュフロー計算書に相当するものは、得点力として確認した理解度の中で、どのように得点力に結びついているかのチェックを行う。
- きちんと得点できているのか
- ケアレスミスなのか
- わかっていないから得点に結びついていないのか
今日欲しい入金なのに、ミスで明日入金が入ってきても黒字倒産になってしまいます。
それと同じでわかっていたのに、得点に結びついていなければ1点足りなくても合格最低点に届いていなければ合格はもらえません。そう考えたら受験勉強の理解度チェックは財務三表を見るのと同じ考え方だと言えませんか?
一番大事なのはキャッシュフロー力(得点力)
今回のW杯サッカーで、かつて得点不足が課題と揶揄され続けてきた日本が躍進できたのも、取るべき時に得点が取れるようになったからだと思います。
学力の源泉は貸借対照表(お子さんの頭の中)にあるということ。
だから頭の中の見える化をしましょうね、
ということです。
頭の中の整理と見える化
この本↓を読んで思った4つの重要なポイントのうちの
3.頭の中で散らかった知識や考え方を総動員させて整理する、考えて解くプロセスを踏むことが大事
4.目次に理解度を記録する
を実践していく過程の見える化の方法と同じですね。
まとめ
損益計算書(P&L)
ある一定期間における成績⇒過去の結果であり未来を保証するものではない
急激な増益を果たしたとしても、実はそのための仕込み(投資)はかなり前になされていたことやたまたま神風が吹いて特殊要因が発生することもあります。
たとえば夏休み中の頑張りが10、11月になって現れるとか、たまたま得意な単元やテーマばかり出題された場合とか。
利益を永続させる仕組み・戦略・競争優位性の源泉はどこにあるのかを探る。
売掛債権(勉強時間・努力)の質を高め、いち早く売掛債権(知識・技術のインプット)を売上にかえるべく回収につとめ、同時に費用(勉強のムリ・無駄、ムラ)を減らすのは企業活動と同じですね。
貸借対照表(B/S)
知識・技術がどれだけストックされているかを示す。⇒資産の積み上がりが将来の利益をつくる
資産(新たに獲得した知識・技術)を増やし、負債(テストで犯したミス、振り返りをしていないテスト)を減らし、純資産(合格力ポテンシャル)を増やす。
ただ純資産を積み上げても市場(志望校)からは評価されず、将来の利益をつくるための投資や研究開発(思考力系問題への対応)にあてることも大切。
キャッシュフロー計算書(C/F)
知識・技術の運用力をあらわす。⇒ストックしたものを現金(成績)にかえるチカラ、得点力。
貸借対照表上は、膨大な資産を保有しているのに、それをキャッシュ(得点)に変えられないこともままある。有休資産(習いっぱなしで定着できていない知識・技術)にならないように、常に頭の中の整理整頓に努めること!