中学受験は近年ますます盛んになっています。
私は2023年度の全国の主要中学校の算数の問題を全てチェックをし、独断と偏見で良問のブログを書いています。
中学入試の問題では知識を問われるだけではなく、どのように考えていくのか思考力を問う問題が増えてきていると言われています。
知識だけならそれこそインターネット検索で手軽に手に入るようになりましたのでこれからの時代は、自分で考え、判断するために自分で問題を解決できる力、思考力が重視されるようになってきたことが背景に思われます。
受験算数は、算数で決まるとよく言われます。
絶対とは言いませんが、算数が受験勉強においてポイントになることは納得していただけると思います。
そんな受験算数の「思考力」問題にどう対応したらいいのかについて書いてみます。
そしておすすめの問題集も紹介します。
最近の中学受験の算数問題が問いかけている力とは?
文部科学省がこれから必要とする力としていくつか挙げています。
- 資料から規則や定義を読み取って適用する力や情報を抽出して分析する力
- 要約する力
- 事象の関係性をとらえる力
- 仮説を立てたり検証したりする力
- 議論の構造を理解し前提を把握する力
これらの力を、中学受験生がまさに取り組める形で問いかけているのが中学入試問題です。
受験算数で求められる思考力とは?
某大手中学受験塾で算数を教えている先生がブログの中で、
中学受験の算数の場合に必要な「思考力」とは、
多くの場合「正解を求めるための力」のために「いかに答えを絞っていくかを考える力」
とおっしゃっています。
思考力が必要な問題が増えていると言われる中で思考力の具体的な中身とは
2023年の女子学院の問題を使って説明されているので参照ください。
ここでは、おすすめしたい旺文社の中学入試「思考力問題集」に記載されている「4つの力」を紹介します。
【新品】中学入試知識だけでは解けない思考力問題集算数 吉川厚/監修 価格:1,760円 |
4つの力とは?
求められる4つの力とは
- 順序だてて考える力
- 情報・条件を整理する力
- 情報を抽出する力
- 図示して考える力
1.順序だてて考える力
こんな力
問題文を正しく読み取り、考える道筋をたてて、正しく処理しながら問題を解く力です。
旺文社/中学入試「思考力問題集」
こうやって問われる
文章を図や表などの資料とともに読み、条件を正しく理解する必要があります。長めの文章や、やや読み取りが難解な資料、整理しながら考えなければならない図などと合わせて問われることが多いです。
旺文社/中学入試「思考力問題集」
2.情報・条件を整理する力
こんな力
問題文に書かれた情報・条件の原理や規則性を整理しながら政党を導き出す力です。
旺文社/中学入試「思考力問題集」
こうやって問われる
複雑なルールや法則をもとに問題が設定されることが多いです。長い文章を同時に読み取る必要もあります。
旺文社/中学入試「思考力問題集」
3.情報を抽出する力
こんな力
与えられた文章や資料から重要な情報を選び取ったり、直接は書かれていない情報に気づき、その情報をもとに判断して問題を解く力です。
旺文社/中学入試「思考力問題集」
こうやって問われる
最近では、複数の資料や実験結果から情報を読み取らせる問題が出題されています。また、シンプルな問題文から隠された情報に気づき、解かなければいけない問題も出題されています。このような問題では、正確に情報を処理する能力と、それを応用していく力が問われています。
旺文社/中学入試「思考力問題集」
4.図示して考える力
こんな力
文章問題から、内容を線分図や面積図などに図式化して、その図を利用して式に表し、答えを導く力です。
旺文社/中学入試「思考力問題集」
こうやって問われる
問題文で与えられている数字や文字を、面積図や線分図などに表したり、問題の図に与えられた条件や情報を書きこんで考えたりして、具体的な数量に変換する力が問われています。
旺文社/中学入試「思考力問題集」
「思考力問題集」には「しっかり対策」項目で対策方法も記載があります。知りたい方はぜひご購入ください。
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旺文社の中学入試「思考力問題集」のおすすめポイント
旺文社の中学入試「思考力問題集」をおすすめします。
利用開始時期は?
この問題集は4つの力を軸に問題集を編成しているので、ひととおり単元学習が終わった新6年生が春休みや夏休みぐらいから使うのがいいと思います。
おすすめポイント3つ
この問題集は3つのポイントでおすすめです。
- 「思考ステップ」の記載がある
- 「別解」が充実している
- 「ささっと確認」がある
「思考ステップ」の記載がある
一般的な問題集は、解答だけでなぜそのような発想になるのか?などの説明がありません。
この問題集は考える道筋としての「思考ステップ」に沿って解説されています。
「別解」が充実している
別解の記載があり充実しています。
私は別解を考えることで算数、数学力は伸びると思っているのでこの別解があるのはいいなと思います。
「ささっと確認」がある
この「ささっと確認」はいいです!
問題を解いて終わりにすることなく、出した答えが本当に合っているのかを確認するチェック方法が記載されています。
なかなかこの3点を充実させた中学受験生向けの問題集はこれまでに見たことがありません。
これは受験の最後まで使える問題集としておすすめです!
まとめ
上記の4つの力って、昔から問われている力と変わらないと思いませんか。
最近、中学入試問題では思考力問題が増えていると言われています。
塾がいろんな対策をするから典型問題では差がつかなくなってきました。
私が小学生の頃はニュートン算が難問と言われていましたが、いまでは中堅校でも出題されるようになりました。
だから目先を変えて(問題の長文化もその一つ)出して問題が高度化しているいるだけで、
使う考え方は何も昔から変わっていないと思うのです。
この「いかに答えを絞っていくか」のためのに必要な力として4つの力に共通するのは
「算数語へ読み替える力」
だと私は考えます。
「算数語へ読み替える力」はパズル問題のように遊びを通じて論理思考を養うことがいいと思っています。
この本もおすすめです。
価格:1,540円 |