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受験生への最初の授業2017開成中算数問2、やらされ勉強から感じる勉強へ

2023年の本郷中学の入試問題を引用して「入試問題は受験生への最初の授業である」ことを記事にしました。

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私が息子の中学受験までの約3年間の伴走の歩みをアメブロに書いていこうと思って始めたのが2017年5月。

もう6年前のことです。(最初のブログ「中学受験勉強開始〜受験まで986日」。)

この頃、今の中学受験とはどんなものだろうと四谷大塚の過去問HPを使って色々な学校の入試問題を見ていました。

2017年の開成中の算数問2を見た時に衝撃を受けました。

算数の問題なのに理科の問題との融合問題!

これがあの開成中の問題であり、これを解けるレベルの生徒を欲しているのか!

コテツ

長方形を正方形で分割する方法はキルヒホッフの法則よりある電気回路と1体1で対応することが知られています。

これは“キルヒホッフの法則”(物理)+“ルジンの問題”との融合問題です。

これから発売される色々な会社の過去問集には問題の背景とかに関するコメントは紙面の都合もあってかほとんどみたことがありません。

過去問研究に関しては作問の意図とか実はそこが大事なんですけどね。

これぞ受験生への最初の授業なんだなと思ったその問題を問題の背景とともに紹介します。

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目次

問2長方形の分割問題

長方形をいくつかの正方形に分割し、その中の縦線の中点を結ぶ、というあまり見なれないタイプの問題でした。

問題文も長いのですが、具体的な例がしっかり書かれていますので算数力よりも読解力が鍵となった問題でした。

問題、解説は四谷大塚のHPの過去問データベースからの引用です。

(1)はこの問題に出てくる規則性について答える二択問題です。例の数値で確認できたかどうかがポイントでした。

(2)(1)で求めた規則に基づいて考えていけば解きやすかったと思われます。

(3)こちらも例と比較していくことで、どの部分がもとの長方形の縦・横になるのかが読み取れたのではないでしょうか。

(4)(3)の結果をもとに、長方形を正方形に分割していく作図問題です。長さが多少不正確でも良い、ということですので正方形の位置が正しく表されていれば正解になったと思われます。

キルヒホッフの法則

オームの法則では、回路の一部分のみを着目しました。

入試で頻出な複雑な回路問題を解く際には、オームの法則だけでは対処できないことが多いです。

そのときに活躍するのが回路全体で成り立つ「キルヒホッフの法則」です。

キルヒホッフの法則には第一法則と第二法則があります。

私がこの法則を知ったのはたしか中学生の時だったような。。。

こちらでわかりやすく解説されていますので参照ください。

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ルジンの問題~Wikipediaより

正方形に関してニコライ・ルジン (Nikolai Luzin) が考えた問題です。

「任意の正方形を、2個以上の全て異なる大きさの正方形に分割できるか」という問題であり、ルジンはこの問題の解は存在しないと予想したがその後いくつかの例が発見されました。

ここで問題を拡張して立方体では同様のことが出来るかという問題が想起出来るますが、この問題は出来ないということがはっきりしています。

何故かって?

立方体の底面をまずは敷き詰められたとしよう。すると一番小さい立方体の箇所が必ず存在します。

その小さい立方体の一辺をaとするとa×a×mの溝がその立方体の上に出来ますが、そこを埋めるには一辺aの立方体ではダメなのでもっと小さい立方体の組で埋めなければならない。

もしそれができてもまたその中で一番小さい立方体の上には溝が生まれる。

これが永遠に繰り返されるのです。

このように二次元から三次元への拡張には簡単なようで越えられない溝が散見されるのです。

さいごに

このように電気回路という物理的な観点から算数の問題を作成したというのは非常に面白いですね。

右の図は69×61の長方形の場合の正方形埋め込み問題における電気回路図です。

入試問題はテストだから解くものではありますが、

それまでの間は

問題は解くものではない、感じるものだ!

と思っています。

算数の勉強に限らずまずはこの問題はおもしろい!と感じましょう。

そしてどんな意図を思ってこの問題を出題しているんだろう、

なんて出題の意図か感じとるように勉強をすると結果的に頭の中が整理されるのです。

やらされ勉強からやる勉強への気持ちの切り替え。

やる勉強から感じる勉強へ

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