のび太の分数って知ってますか?
1/2+2/3という計算問題を
1/2+2/3=3/5と答えて全部×で0点を取ってしまうあれです。
算数的に言えば、通分をしないで分子同士、分母同士の数字をたし算しているので分母という大きさの基準をそろえていないから×ですね。
でも、この2023慶応SFCの数学の問題ではどうでしょうか?
2023慶応SFCの数学の問題
Twitterでみかけた今年の慶応SFCの数学の問題です。
中学受験レベルの問題ですね。
【問題】
正の数nとmは不等式 2022/2023 < m/n <2023/2024を満たしている。このようなm/nの中でnが最小なのは?
【2023慶應大SFC】中学入試にも見える大学入試「ただ不等号は中学内容」 pic.twitter.com/ieffS4R43w
— とってぃ〜|数学算数 (@tooooottttteeee) February 23, 2023
この問題は、
分子2022+2023=4045、分母2023+2024=4047
だから答え4045/4047となります。
まさに「のび太の分数」の計算をしているのですが、これでも正しいと言えるのはなぜかわかりますか?
食塩水の問題
1/2や2/3というのは食塩水ではあり得ない濃さなので、
例えば、8%の食塩水200gと12%の食塩水300gを混ぜた場合を考えてみます。
食塩水200gの中に塩16g、食塩水300gの中に塩36g入っているので、混ぜ合わせると
塩は16+36=53g
食塩水は200+300=500g
つまり16/200+36/300=52/500となります。
あれ、のび太の分数の計算のやり方ですね。
要するに、分母に溶液全体の重さ、分子に濃さの対象となる溶質の重さを持ってくれば、その分数の値自体が濃さになりますし、混ぜるときには当然全体の重さも溶質の重さも単純に和となるわけです。
この例では8%の食塩水と12%の食塩水をまぜたら10.4%の食塩水ができたということです。
2種類の塩水を混ぜたときにできるものの濃さは、
元の塩水の濃さの必ず間に来るからです。
てんびん図を考えるとイメージしやすいと思います。
2023慶応SFCの数学の問題ではどう考える?
2022/2023(%)の食塩水と2023/2024(%)の食塩水を混ぜたものが答えになると考えると、
(2022+2023)/(2023+2024)=4045/4047と考えてもおかしくはないのです。
この考え方の欠点
この方法には、欠点もあります。
複数の解答がある場合はすべてを求めることができません。
4045/4047が唯一の答えであるかどうかの検証は必要です。
2022/2023=4044/4046、2023/2024=4046/4048の間になります。
そう考えたら4044/4046 < 4045/4047 <4046/4048
なので4045/4047が唯一の答えと言えました。
でもこういう数に関するセンスを磨く方法は知っておいて損はないと思います。